2017年1月4日水曜日

手作りガレット・デ・ロワに挑戦したら、美味しくて楽しかった



あけましておめでとうございます。今年もいろいろ作っていきます。
さて、さっそく。2017年の初焼きは手作りガレット・デ・ロワ(galette des Rois)に挑戦した。
ガレット・デ・ロワは新年を祝うフランスの伝統菓子で、最近都内のデパートやケーキ屋、パン屋さんで見かける機会が増えてきた…ような気がするけどいかがでしょうか?
まあ最近自分が菓子を作ることをしているから自然と目に入ってくるようになっただけで、以前から日本でガレット・デ・ロワを楽しむ人は多かったのかもしれない。そうだとしても不思議ではない。

というのもこのガレット・デ・ロワ、ちょっと面白いのだ。感じている面白さを3つ挙げるとこれ。

1.フェーブ(fève)を当てた人が王様になるゲーム性
2.フェーブそのものがコレクション心をくすぐるところ
3.ドキドキするけど意外と形になる、表面の模様

ケーキ型のフェーブ。まさか作った自分が当たってしまうとは…


1.フェーブを当てた人が王様になるゲーム性
ガレット・デ・ロワにはフェーブが隠されている。フェーブは陶器でできている小さな人形というか置物で、これがケーキの中に入っている。
ケーキが切り分けられたとき、中にフェーブが入っている人が当たり。王冠をかぶってその日その場の王様になれるほか、1年を幸せに過ごすことができるそうだ。フランスでは新年、家族や親しい人と集まったときにゲームのように楽しむのだという。
この「家族や友人と楽しむゲーム性のあるお菓子」というのが面白い。

今回、妻の実家に正月料理のデザートとして手作りガレット・デ・ロワを持っていった。ひととおりの説明をした後で義母が切り分けたところ、半分に切るための最初のカットでガチッ、と音がして、誰の者ともわからぬままフェーブがあっさりと顔を出してしまった。
あわてて「フランスでは家族のなかでいちばん小さな者が机の下に隠れて、このひと切れは誰のものか、というのを指定する方法があるようです・・・」と追加で説明。それで振り分けたら今度はなんと自分にフェーブが当たってしまった。王冠は用意したのを実家に持っていくのを忘れたが、それでもゲームとして場が和やかになった。

2.フェーブそのものがコレクション心をくすぐるところ
調べるなかで、さまざまなフェーブがあることを知った。検索するといっぱい出てきたのだ。また、近所のフランス菓子店ノリエットでは、店の奥にたくさんの種類のフェーブが飾ってあるのを見つけたりもした。毎年限定もののフェーブを出している菓子店などもあるようで、コレクターがいるというのもうなずける。
いくつか見るかぎり、フェーブは華やかというよりは素朴に思えるものが多い。蚤の市に行くと古いアンティークものが並んでいそう、そしてつい手を出してしまいそう…な感じである。
今回のフェーブは富澤商店で紙の王冠といっしょに購入したが、もし今後フランスに行く機会がある際には探してみたいと思った。

3.ドキドキするけど意外と形になる、表面の模様
ガレット・デ・ロワの表面にはレイエと呼ばれる独特の模様がついている。お店だけでなくWebでも探してみたところ、さまざまな模様があることがわかる。これが面白い。
ガレット・デ・ロワはお菓子自体はパイ生地とアーモンドクリームで構成されているシンプルなお菓子なので、菓子の作り手のプロにとっては、この模様が腕の見せどころの重要な点でもあるようだ。小さなナイフで表面に薄く跡を付けるように描いていく。
今回、月桂樹のモチーフをかんたんに入れてみた。YouTubeなどでプロがやるのを見ていると手早くナイフを入れているのだが、ドキドキして息を止めながらパイ生地にナイフで模様を入れた。そして焼き上がった姿を見て…初めてにしては意外と形になっていて嬉しい。
 
やってみてわかったことだが、ガレット・デ・ロワを作るのは難しくないと思う。
冷凍のパイシートを使えばやることは以下の工程で、むしろとても簡単だった。

ガレット・デ・ロワの作り方

1.アーモンドクリームをつくる
2.パイシートの上にクリームを載せる←ここでフェーブを仕込む
3.クリームの上からもう1枚パイシートを載せて模様を描く
4.オーブンで焼く
5.表面をキャラメリゼする

これで完成。簡単だ。そして、美味しい。
味はシンプルで、サクサクのパイとアーモンドクリームとの相性が抜群にいい。あっさりしているので、正月料理をガッツリ食べた後でも別腹でいける。
作る前、手本とするためにあるお店でガレット・デ・ロワを買って食べたが、正直なところ自分で作ったもので十分に美味しいと感じた。個人的にはアーモンドクリームがたっぷり入っているほうが美味しいと思うので、次に作るときはアーモンドクリーム多めで作るつもりである。
また、これから店頭に並んだり、予約を受け付けているところもあるようだ。上達するためにもプロのガレット・デ・ロワをまた食べてみたい。

そんなわけでガレット・デ・ロワ、簡単で美味しいし、そして楽しいです。
フランスでは1月中ならいつでも食べているそうなので、1月にこれから家族や親しい人と集まる機会がある方、作ってみてはいかがでしょうか。

参考にしたレシピはこちら。
基本のガレット・デ・ロワ

追記:
使わなかった紙の王冠は短くカットして、我が家の若き王である猫・テトの頭上に。
まあ次の瞬間にはおもちゃになってしまいましたが。